Kindleおすすめの書籍として、Amazonからメールが届き「知の巨匠」佐藤優氏がコロナ禍をどのように捉えているのかに関心を持ち拝読。
本書は人類とウイルスとの戦いを紐解き、また現下に蔓延しているコロナ禍に対して、アメリカが、また各国がどのように対応しているのかを佐藤優の視点で解説しています。
若干アカデミックな構成になっており、教科書的であり、また哲学的であり、休日に気軽に読もうと思いましたがハードルが高かったのが印象です。
本書で印象に残ったフレーズをいくつか紹介します。(意訳してます)
・コロナ禍の中、国家、国民の地金が出てきた。すなわち自粛警察に代表される相互監視社会 etc…
・(国民気質を利用し)為政者は行政権を拡大しようとしている。
・コロナ禍に対するスウェーデンの施策は「ソフトな優生思想である」。
中でも一番印象に残ったのが、香港に住むタンザニア人の考え方についてです。
香港に移り住んだタンザニア人は、人を悪く言わない。
なぜならば彼らは香港に移り住んできて、さんざん人に騙されたからだ。
故に彼らは「誰も信頼しない」「誰も信頼してはいけない」と考えている。
つまり他人をハナから信頼していないので、他人から少しでも良くしてもらえばそれは望外の喜びとなり、逆に裏切られたとしても「ダメもと」なので「彼/彼女は私を嫌っている」という発想にならない。
結果として彼らは「俺は○○に愛されている」「○○は俺のことが好きだ」と頻繁に断言しているそうです。
他人に勝手に高い期待値で接して、その反応にがっかりしたことは誰しもあると思いますが、良し悪しはさておき、香港のタンザニア人の思考には感心しました。
ひょっとすると人生を一番楽しく生きているのは、彼らなのかもしれません。
時間のあるときに再度読み直そうと思いました。
現在のところ星は3つですが、後日改めて自分の中の評価が上がる作品だと思います。