読書メモ:『1日1つ、なしとげる! 米海軍特殊部隊SEALsの教え』(ウィリアム・H・マクレイヴン, 斎藤栄一郎 著)

「人生は困難の連続だ。だが、自分よりも辛い目に遭っている人々が必ずいる。毎日、ただただ情けない気持ちで過ごし、自分の境遇を悔やみ、身の不運を嘆き、自分が置かれた状況を他人のせいにしたり、何かのせいにしたりしていると、人生は長く辛いものになる。  そうではなく、簡単に夢をあきらめず、堂々と振る舞い、あらゆる困難に負けずに立ち向かえば、人生は自分次第だ。だから素晴らしいものにできる。だから、絶対に、間違っても鐘は鳴らさないでほしい。」

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「覚えているだろうか。日課を1つなしとげてから1日を始めよう。人生には誰かの助けが必要だ。  誰に対しても敬意を払おう。人生は不公平であり、たびたび失敗するものだ。だが、リスクを恐れず、本当に辛く苦しいときこそ前に進み、いじめに果敢に立ち向かい、虐げられた人々を奮い立たせ、決してあきらめない。  これを実践すれば、人生はきっと良くなる。人生だけではない。世界さえも変えることができるはずだ。」

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「この35年間、モーキーは車椅子生活が続いている。その間、彼が人生の逆境に不平を言うのを一度たりとも聞いたことがない。「どうして俺が?」といった疑問を口にしたことがないし、自らを哀れんだこともないのだ。  実際、あの事件以降、モーキーは画家としてめきめきと腕を上げた。また、美しいお嬢さんの父親でもある。年に一度の「スーパー・フロッグ・トライアスロン」大会を創設し、今も大会を統括している。  自身の非運から目を背け、その原因を自分以外に求めることは簡単だ。生まれ育った環境や、親の育て方、通った学校で将来がすべて決まってしまうと考えることも簡単だ。  だが、そんなのはとんでもない噓っぱちだ。普通の人々も、優秀な人々も、男も女も、人生の不公平さにどう向かい合うかで決まるのである。

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「モーキー・マーティンは、生粋のフロッグマンだった。生まれも育ちもハワイで、SEALs将校として私が望む条件をすべて備えている人物だった。ベトナム戦争を戦った帰還兵で、SEALsが保有するあらゆる武器に精通していた。  また、SEALsの全チームの中でスカイダイビングの腕も屈指の存在なうえに、ハワイ出身らしく泳ぎも右に出るものはいないほど優れていた。 「ミスター・マック、今朝、シュガークッキーになった理由がわかるか」  マーティンに問いただされた。言葉こそ穏やかだったが、明らかに尋問調だった。 「マーティン教官、わかりません」  礼儀正しく答えた。 「それはな、ミスター・マック、人生は不公平なものだからだ。そこに早く気づいた者ほど、充実した人生を送ることができる」

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「しかし、この単純な行為がどういう意味を持つのか、後にその深い意味を何度となく思い知らされたのです。  毎朝ベッドメイクをすれば、その日の最初の課題を達成することになります。ちょっとした自尊心につながり、その次の日課にも、そのまた次の日課にも取り組む勇気を与えてくれます。たった1つの日課の達成で始まった1日が終わるころには、いくつもの日課をなしとげていることになるのです。  人生で一見ささやかなことが実は重要なのだという事実をはっきりと教えてくれるのが、ベッドメイクでした。  小さなこともできないとしたら、大きなことなどなしとげられるわけがありません。また、辛い1日を過ごしたとしても、家に帰り、きれいになっているベッドが迎えてくれます。  もちろん、あなた自身がベッドメイクしたものです。きれいに仕上がったベッドが、明日はもっといい1日になるよと励ましてくれるはずです。  世界を変えたいのなら、ベッドメイクで1日を始めようではありませんか。」

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「このペナルティは、砂まみれの姿にちなんで「シュガークッキー」と呼ばれていました。そしてその日1日、冷え切った体のまま、ずぶ濡れ、砂まみれの姿で過ごさなければならないのです。  一生懸命努力したにもかかわらず報われなかったことが我慢できないという訓練生はたくさんいました。どれほどがんばって制服をきれいにしても、まったく評価してもらえないのです。  こうした訓練生は、訓練も最後までやり遂げられませんでした。彼らは、訓練の目的を理解していませんでした。絶対に思いどおりの結果にはたどり着かないのです。完璧な状態の制服を手にすることなどありえないのです。  一生懸命に準備し、あるいは一生懸命にチャレンジしても、結局、シュガークッキーになってしまうこともあります。人生とはそういうものなのです。  世界を変えたいのなら、理不尽な試練に耐え、前を向いて歩き続けてください。

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「だからサーカスは誰からも恐れられていました。サーカスは、その日の合格基準に達しなかったことを意味します。  それだけでなく、サーカスになれば疲労はもっと増え、ほかの訓練生より疲れが大きい分、翌日の訓練はもっと辛くなります。加えて言えば、翌日もサーカスに招待される可能性は高まるのです。  とはいえ、SEALsの訓練を受けていれば、誰もが例外なくいつかはサーカスにリスト入りする日が来ます。  そしてリスト入り常連の訓練生には、実におもしろい現象が見られます。彼らは2時間の居残り体力訓練を続けているうちに、どんどん強くなっていくのです。サーカスの辛さが強靱な精神力を育み、粘り強い肉体に変えるのです。  人生はサーカスの連続です。誰もが必ず失敗します。何度も失敗を経験することでしょう。それは苦しく辛いものです。心が折れることでしょう。ときには徹底的に自分を試されるほど辛い試練もあります。  世界を変えたいのなら、サーカスを恐れてはいけません。

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