書評:★★★★なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法 Kindle版

大切なことは偏差値ではなく「気づき」であるということを教えてくれます

リベラル大学の両学長おすすめだったため拝読。

学校時代引きこもり気味で、ともすれば社会の爪弾き物になりそうだった著者が、様々な一流の師を学ぶことで料理人として大成し、ついには独立した店でミシュランの一星を取るまで成功します。

しかしながら著者が職場の「王」として君臨し、悪い意味での昔のしきたりを強要することで職場の人間関係が最悪になり、その結果なんとサイゼリヤにバイトとして携わることにより、その生産性と良好な人間関係の維持を学び、自分の店で取り入れることで業務革新を起こしたミラクルストーリーです。

三ツ星レストランで学んだ一流シェフが、サイゼリアに学ぶという点が、とてもキャッチーで目に止まりましたが実際に学んだことは「料理の作り方」ではなく「組織の作り方」です。

本書を一読して著者である村山さんの着眼点の良さと気付き、そして行動力に唸らされました。またその着眼点の裏には、膨大な読書による「成功する人の考え方」を著者の言う「マヨネーズ理論」で吸収していったことが大きいのではないかと思います。

本書の後半になんとそのサイゼリアの会長と社長と著者での鼎談が掲載されていますが、サイゼリアの会長自身も成功すべくして成功しているのであると理解しました。

特にサイゼリア一号店の苦戦と転換、そしてその後の繁栄には会長の「エネルギーの捉え方」と「全ては自分の身の回りにある」という考え方が、非常に面白かったです。

平易な文章でスリリングでもあり、日曜日の午後にあっという間に読んでしまいました。経営とは・組織とは・利他の心とは学ばさせていただきました。良書です。

以下、心に残った一文を引用します。

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アメリカの経営学者のマイケル・ポーターは「戦略の本質は、何をやらないかを選択することだ」と語っています。その通りで、すべきことばかりに集中するんじゃなく、しないことをまず考えないと、生産性は上がりません。

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やめる・減らすというのはネガティブなイメージがありますが、実はプラスに転じるための攻めの選択なのです。

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本の著者の考え方を理解して丸パクリできれば、ものすごいスピードで成長できます。

 読書は人との出会いです。多くのすぐれた著者たちの見方や考え方を知れば、固定観念を壊してウェイト&ストップ思考から脱却できるようになります。

 常識に左右されず、物事を多角的に考えられるようになるので、サバンナで生き残っていくための強力な武器になるでしょう。

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「これが近道だ」という仮説を立てて、突き進む。もし失敗しても、そこから学んで修正しつつ、さらに近道を探して、最短で目標に近づく。

 ラッセで出している損失額は僕が断トツで多いんですが、行動しないことが一番の失敗です。致命傷さえ負わなければいいんです。

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