書評:3/5:無罪請負人 刑事弁護とは何か?

本当に悪いのは弁護士か、警察や検察か、裁判官か、もしくはマスメディアか

山口母子殺人事件で弁護人として荒唐無稽な論理を展開した弘中氏の内在的論理を知りたく拝読。

弘中氏の関わった「ロス疑惑事件」や「鈴木宗男事件」また「厚生労働省の郵政不正事件」を例に引き出し
弁護人の立場からそれぞれの事件を振り返る内容。

本書の中には検察官の強引なストーリー作りによる「免罪でっち上げ」や「不当な交流による自白強要」
また「頼りにならない裁判所」や冤罪を作り上げる「マスメディア」など、有罪の裏側にある現実がこれでもかと出てきます。

本当に悪いのは弁護士であり、警察や検察であり、裁判官や、マスメディアなのです。
つまり捕まったら最後、人権を蹂躙されるような取り締まりが行われ、警察や検察の思い通りのストーリーに
従わざるを得なくなるのです。

司法世界の現状を知り暗澹たる思いになりました。

「自分が面白い思った事件を引き受ける」と本書では何度も書かれていますが、
弘中先生、それでは山口母子殺人事件の荒唐無稽な弁護は、どのような観点から行われたのでしょうか。
また弁護を途中で降りた「木嶋佳苗連続殺人事件」の弁護は、どのようなストーリーで行われたのでしょうか。

ご自身の持論はよく理解できましたので、是非とも次の著作ではこの2つの弁護についての
意見を伺いたいものです。

— 書評の星の数はAmazonのレビューのものをそのまま掲載してます(最大は★5つ)—

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