前半は知られざる野村證券の実態がわかり、とても勉強になった
京都大学を卒業し野村證券に入社し、第2事業法人部で活躍しオリンパス事件に巻き込まれた著者の回顧録。
前半の大学卒業後から野村證券で体験したことは非常に面白かったです。
当時の野村證券は一言で言えば「昭和のブラック企業」で、その体質に馴染んだものは生き残り
馴染めなかった大半の社員は去っていくという、典型的な証券会社でした。
特に参考になったのが、当時の証券会社が顧客をどのように扱っていたのか、現在で言えば完全に犯罪行為である
株価操縦の実態や社内での人間関係、また国税庁による違反の捏造など、たいへん興味深く読むことができ、文句なく星5つです。
反面、本書の後半は野村證券を退社後にオリンパスの損失隠しに巻き込まれた事件のエビデンスが書き連ねられおり
素人目から見ても著者は無罪なのですが、如何せん面白みにかけ、斜め読みしてしまいました。
ともあれ前半の面白さは(株式の基礎知識は必要ですが)一読の価値があり、前半だけでも読む価値があります。
— 書評の星の数はAmazonのレビューのものをそのまま掲載してます(最大は★5つ)—