知人から紹介されて予備知識無しで見たのですが、とても良かったです。
半導体の話で、それまではDRAMと呼ばれる、いわゆる一時記録媒体しかなかったのですが、電気を切っても記憶できるフラッシュメモリーを開発し、その後のIoTデバイス普及のきっかけとなった、元東芝舛岡富士雄さんと、当時の開発スタッフの回顧録です。
舛岡氏はいわゆる天才型の発明家であり、彼を取り巻く部下たちの奇人変人ぶりがうまくミックスされて、一大発明は成し遂げられましたが、製品が日の目を見る前に舛岡氏は東芝をパージされ、取り巻く部下たちも有能が故に外部へ旅立っていったという話です。
舛岡氏と部下たちが発明したフラッシュメモリーは、今や東芝の稼ぎ頭となっていますが、当人たちは素手の東芝を追い出される形で去っていったということが、またその東芝さえもかつての栄光は見る影もなく、没落してった様は、悲哀に満ちていて、なんとも奥深い物語となっています。(東芝の没落は本編に含まれておりません)
本編でも触れられていますが、エンジニアの評価が低いのは、日本企業共通のいわばカルチャーであり、長期的に見て日本の産業の衰退の一因となっているのではないでしょうか。
関心のある方は是非一度御覧ください。