書評★★★:仕事と人生 西川 善文

「ラストバンカー」として名高い元住友銀行頭取の西川善文の回顧録です。

住友銀行入行から、その過程で学んだことやエピソード、銀行マンとしてのあり方が書かれています。
文中にもありますが銀行は「晴れの日に傘を貸し、雨の日には貸し剥がす」イメージがありますが
良き銀行員の姿とて「粉飾決済を行う企業は論外であるが、顧客企業の将来を共に考え、伸びる可能性のある事業を手助けしようとする姿勢」には、感心させられました。

また物事をシンプルに考えることの重要さや、場合によっては恩師に引導を渡す胆力など、ほとんどの銀行員人生を
「動乱の中で過ごした」がゆえの凄みと説得力があります。

ただし一つ一つのエピソードがいかんせん底が浅く、バックグラウンドの事業が理解していないと、その言葉自体が
心に響いてこないのではないかと思いました。

本としての評価は★3つ。

すぐに読めるので時間の空いた時に、氏の功績を「サッと振り返る」意味では良い本だと思います。

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